#17 Com açúcar e com afeto / Chico Buarque

オマージュ

ニュースの見出しに

“シコ・ブアルキ、ナラ・レオンに贈った曲をもう歌わないと公言”

なんて書かれていると、何が起こったんだろう?
と思ってしまいますよね。
これは、メディア側の少し悪意あるタイトルの付け方だなぁと思うのです。
どういう事かご説明したいと思います。

今年で生誕80歳を迎えるナラ・レオンへのオマージュであるドキュメンタリー番組『O canto livre de Nara Leão』ですが、監督にあの『Uma noite em 67』のヘナート・テーハを迎え、好評を得ているようです。
番組はGloboplayという、ブラジルのTV局グローボの有料チャンネルなのですが、私もこの番組を見るためにわざわざ契約しました。感想は後日改めて書きたいと思っています。

『O canto livre de Nara Leão』


さて、この番組の中で最もインタビューに登場するのは、ナラの生涯の音楽仲間であるメネスカル(同時に元恋人でもある)と、シコ・ブアルキなんですが、シコがドキュメンタリー内でこのエピソードを話たのが、ニュースでピックアップされました。

ナラはボサノヴァ仲間のミューズ(一部マスコミはマスコットと呼んだ、失礼な!)であり、ワンピースから膝を出してギターを弾き語りしたり、ジーンズをはいてプロテストソングを歌ったり、いろんなグループを渡り歩いてはそこの中心人物なるような、当時の女の子(年齢的にそう呼んでます)の中ではちょっと異色な感じだったようですが、一方で家庭的な女性に憧れている部分もあったようです。

実際に、当時付き合っていた映画監督のカカーに「結婚したい!」と言ったのも、「子供がほしい!」と言ったのもナラだったし(カカーは結婚も家庭も興味がなかったそう)、遂にはこんな曲を書いてほしいと、シコにお願いしたわけです。

「シコ、次は私に“苦労してる女の曲”を書いてほしいの!」

ナラがお願いしたのはアシス・ヴァレンチやアリ・バホーゾが書いた古いサンバのような、飲んだくれの夫や女遊びをする恋人に振り回されている女性の苦悩を語った曲。
親しいナラからのお願いは断れない、ということでシコはその通りの曲をプレゼントしました。(自称恥ずかしがり屋のナラですが、こういう部分に“こうと思ったら一直線”的な性格が出ているような気がします。)

実はシコにとって一人称を女性として考えた初めての曲だったそうです。

ナラはもちろん、シコも完成した曲を気に入ったようですが、1967年から50年以上経った今、この曲が問題視されるようになりました。

近年、ブラジルではフェミニストのムーブメントが年々盛んになっています。
それに伴って、“毎日飲みに出かける夫が早く帰ってくるように、お気に入りのケーキを焼いて家でじっと待っている”というような歌詞は、現在の女性には相応しくない、もしくは自分自身そうでありたくないという意見に辿り着くわけです。

これに対してシコは、
「当時はフェミニズムとか、そういう意識が今のように高くなかったからね。でも僕はフェミニズムを支持するよ。だからもうこの曲は歌わない。もしナラが生きていたら、彼女もこの曲は歌わないだろう。」
とドキュメンタリーで語っています。

そういえば、アリ・バホーゾの曲なんかが若い人に好まれないのは、こういった理由もあるかもしれませんね。
ブラジルの女性、特にアーティストはハッシュタグ等を使って常に女性の人権について呼びかけています。

世界的に、“開放的なブラジル女性”という偏ったイメージは、あくまでも作り上げられた幻想であって、実際には、根付いている男尊女卑という大きな古傷と今も闘っているのです。

でも、歌詞はあくまで一つの作品としても捉えられるので、歌わないと公言するまでしなくてもよかったのでは?とも。
それを言ったら、それこそ古いサンバや最近のセルタネージョ・ウニヴェルシターリオも男尊女卑ですから、あくまでも一部の界隈でになりますが、今後はご法度になる曲が増えそうな気もします。

Com açúcar, com afeto
Fiz seu doce predileto
Pra você parar em casa
Qual o quê!

Com seu terno mais bonito
Você sai, não acredito
Quando diz que não se atrasa

Você diz que é um operário
Sai em busca do salário
Pra poder me sustentar
Qual o quê!

No caminho da oficina
Há um bar em cada esquina
Pra você comemorar
Sei lá o quê!

Sei que alguém vai sentar junto
Você vai puxar assunto
Discutindo futebol

E ficar olhando as saias
De quem vive pelas praias
Coloridas pelo sol

Vem a noite e mais um copo
Sei que alegre “ma non troppo”
Você vai querer cantar

Na caixinha um novo amigo
Vai bater um samba antigo
Pra você rememorar

Quando a noite enfim lhe cansa
Você vem feito criança
Pra chorar o meu perdão
Qual o quê!

Diz pra eu não ficar sentida
Diz que vai mudar de vida
Pra agradar meu coração

E ao lhe ver assim cansado
Maltrapilho e maltratado
Ainda quis me aborrecer?
Qual o quê!

Logo vou esquentar seu prato
Dou um beijo em seu retrato
E abro os meus braços pra você

Com açúcar, com afeto

【参考】https://revistaforum.com.br/cultura/machismo-chico-buarque-diz-que-nao-cantara-mais-cancao-que-fez-para-nara-leao/#
Chico Buarque 『À Flor Da Pele』DVD
Renato Terra 『O canto livre de Nara Leão』 globoplay

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